2012/02/25

アスペルガーと診断されるまで 1




診断を受けるに至った経緯を書いてみる。




パートで務めていた職場で1年が経とうとしていた。

シングルタスク (2008年02月25日の日記) を書いてから少し経っていた)


職場は、ホームセンターの店員。
コンビニのバイトすらもしたことのない私にとって、初めての(店内での)接客業であった。
(外回りの営業経験はあった)



それまでの仕事で経験したことのない日常的な忙しさ、あわただしさがあった。
加えて従業員の少なさ、シフト勤務での相互連絡や報告のしづらさ。
様々な業務が次々と割り込んでくる。
かといって自分の予定の作業もある。
あちこちに目を配り、どれを優先させるか直観で判断し、しかも自分の担当売場の作業もこなしていく。
そういう臨機応変な動きが求められた。


徐々に、上司・同僚との業務上の報告・連絡・相談に食い違いを感じ始める。

自分は(社会人としての)ホウレンソウなどとっくに身に付けている、と信じて疑わなかったので、食い違いは「ありえない」ことだった。

どころが、明らかに何かが食い違っているようだった。


いったい何が起きているのかが把握できなかった。
何かわからないが、「キツネにつままれた」というような感覚だった


おかしい。意思の疎通ができていないようだ。


失敗は、上司からの指示を受ける際、どうやら私の判断で勘違い・受け取り違いしてしまったようだった。
だんだんと「気のせい」では済まなくなる。

不安になり、上司に悩みを相談する。

上司は言った。

「普通の常識で行動していれば大丈夫ですよ。」


ありがたいことに、私には、

 ・一生懸命さ
 ・真面目さ
 ・職務を全うしようとする忠実さ
 ・裏表の無い正直さ
 ・素直に相談してくる謙虚な姿勢 
   があるらしく、上司にはそれは伝わっているらしかった。


「あなたのこの部分は評価している」と、上司は言った。

「それがあれば大丈夫、それが一番大事ですよ」としながらも

「ただ、不器用というか、要領が良くないんですよね?
まだやっと勤続1年だし、だんだんできるようになりますよ。一緒に頑張りましょう」
その場は励まされた形で終わった。



ところが、
一生懸命であれば何でも許されるというものでもない。
実際に業務に求められる「結果」が伴っていない。
結果から言うと、接客に追われまくり、その日の作業がまったく予定通りに終わらない。

普段から私の行動を見てくれていそうな先輩にも相談してみた。
今後の対策が目的であり、決して単なる愚痴ではない、と前置きをしたうえで、率直な指摘を頼んだ。


先輩からの指摘をまとめると、次のようなことだった。


「臨機応変に」やっているつもりのようだが、結果的にその時重要ではないことを選んでしまっている。

(これは、私にとっては重要と思えることが、人から見るとさほど重要ではない、ということになる。)


複数の作業の「優先順位」をうまく判断できず、右往左往している時が多いように見える。

これはいったいどういうことか、よく考えてみた。

自分で判断した優先順位で仕事をした結果、上司から「それは優先順位が違う」と言われたが、そうは言われても自分にはそれがつじつまが合わない。

だからその後、自分で優先順位を決めようとすると、つじつまが合わないため、迷いが出て決められなくなっている、という状況なのだろう。


そして、暗黙の了解を理解していないのを痛感する。



さらにしばらくして、プライベートの友人関係で、トラブルを起こした。

・「相手の言外の気持ちをくみ取れない」

・「空気を読めていない」 
が原因であった。

この時に書いた日記が、

その原因を追究していて、浮き彫りとなったのが、以下のことだった。

 ・「人から見ると、些細なことにこだわりすぎ」
(どうでもいいようなことに固執してしまうらしい)

 ・「自他の区別がなく、自分の価値判断を人に強要しまう」
  (相手を自分の身内のように感じてしまい、良かれと思う気持ちから要らぬお節介をしてしまう)


アスペルガー関連のサイトで調べてみると、この2つは、アスペルガーの傾向として、大抵取り上げられているものだ。

その中でも、「自他の区別がなく、人と自分とを対等に扱う」は、多数派に対しては特にまずいものであるようだ。
「親しき仲にも礼儀あり」という、日本人の最も重んじる「作法」をまったく無視するものらしい。




この時点ではまだ、
プライベートで起きる問題と
業務上起きる問題が、同じ原因でつながっていることに気づいていない。




No comments:

Post a Comment